子宮がん
子宮がんには【子宮頸がん】と【子宮体がん】の2種類があります。

【子宮がん】という言葉が一般的に使われていますが、実際には、「子宮がん」という病気はありません。
子宮にできるがんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因の「子宮頸がん」と、女性ホルモンが原因の「子宮体がん」の2種類に分かれます。
日本では子宮がん検診というと、子宮頸がん検診の事を指します。このように、子宮がん検診に子宮体がん検診が日本では含まれない事により、子宮体がん検診が行われる回数が子宮頸がん検診に比べ少なく、しばしば子宮体がんが見逃されている現状があります。
このような現状を考慮すると、あいまいな表現(子宮がん検診)は避け、「子宮頸がん検診」「子宮体がん検診」と使い分けるべきでしょう。
米国で「子宮がん(uterine cancer)という病名を使う場合は、子宮体がんを意味します。子宮体部は妊娠、出産などにかかわる重要な部位であることや、子宮全体の3分の2の体積を占めることなどから、頸部より体部を子宮と考えているからです。
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子宮がん症状
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子宮がん、主な症状 |
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| 子宮頸がん | 0-Ia期 | まったく無症状 | |
| Ib1期 | 不正性器出血、性交後の出血、血の混じったおりものなど | ||
| 進行すると | 腰痛、背部痛など | ||
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子宮体がん |
I期 | 閉経前の人 | 月経の間隔があく、月経ごの不正性器出血、血の混じったおりもの |
| 閉経後の人 | 不正性器出血、おりものの変化 | ||
| 進行すると | うみと血の混じったおりものの増加 | ||
子宮頸がん症状
子宮頸がんの初期は無症状
子宮頸がんは、若い方にも多い子宮がんのひとつです。子宮頸がんは、30代での発症も珍しくなく、子宮頸がんが初期の場合、無症状のために、初期で発見されるケースの多くは、子宮がんの定期検診、または、別の婦人科の病気で受診して子宮頸がんが見つかることがほとんどです。子宮頸がん初期症状は、無症状ですが、ごくまれに、やや子宮頸がんが進行すると、月経以外で出血がある不正出血が起こったり、血性のおりもの(帯下)が増えたり、下腹部痛を覚えたりします。がんの進行の程度(進行期)が0期からI a期の早い段階で見つけて治療すれば、ほぼ完全に治すことができます。子宮頸がんの症状で最も多く見られるのは、不正出血です。とくに、性交渉による出血が起こりやすくなります。性交渉の機会がほとんどない場合は、初期段階での不正出血が起きにくいので、子宮頸がんが進行してから出血に気づくことになりがちです。ふだんから微妙な体調の変化に注意して、定期的に一般の検診に加え、婦人科のがん検診を受けることが大切です。不正出血は、子宮頸がんだけでなく、頸管ポリープや女性ホルモンに関係する内分泌的な異常などでも起こることがあります。むしろ、これら良性の病気が原因の方が多いと言えます。
進行すると、不正出血異常なおりもの(帯下)
子宮の頸部だけにとどまっていた初期(0期、Ia期)には、何の異常も示さなかったがんも、Ⅱ期あるいはⅢ期に進むと、病巣は子宮の頸部を越えて骨盤に向かってまたは膣の方へと少しずつ広がります。こうなると、さまざまな症状が現れてきます。最も多く見られる症状は、ときど出血に混じって粘液性あるいは水様性のおりもの(血性帯下)が出ることがあります。また、出血量が多くなると、貧血ぎみになることもあります。そのうちに、おりものに膿が混じって悪臭を放つようになります。がん組織が細菌に感染すると、腹痛や発熱が起こってくるという具合に、次々と症状が起こってきます。Ⅳ期に入ると、勝胱や直腸など、がんが子宮の周りの臓器にまで広がります。その影響で血尿や排尿障害、さらに便秘などの排便障害が起こったりします。また、下腹部痛、腰痛、下肢痛、浮腫(むくみ)なども現れてくることがあります。さらに進行して、がんが全身に転移すると、貧血、食欲不振、体重減り、がん悪液質と言われる重篤(病状が非常に重い)状態になります。
子宮体がん症状
おりもの(帯下)の変化(不正出血、褐色のおりもの)
子宮体がんは、子宮頸がんに比較して、年齢の高い方に多く、50歳代の方に多いがんです。子宮体がんの症状は、0期でも不正出血が見られるほど、早い段階から自覚症状があります。そのために、子宮体がんは、外来受診で発見されることが多い特徴があります
最近では子宮体がんが、無症状で発見される割合が増えてきていますが、残念ながら、子宮がんの定期検診で発見されるのは、全体の一割にも満たないのが現状です。
最も多い子宮体がんの自覚症状は不正出血で、おりものの異常や下腹部の痛みなどで発見されることもあります。医学的には、点状のほんのわずかな出血(スポッティング)も、褐色のおりものも不正出血に含まれます。スポッティングはどうしても気が付かなかったり、軽視しがちですが、出血があることには変わりなく、その量とがんの進行期とはあまり関係がないので、注意が必要になります。紛らわしいのは閉経前後の不正出血です。閉経期にありがちなホルモン異常に伴う不正出血と決めつけず、子宮体がんの可能性も否定できませんから、すぐに受診してください。おりもの(帯下)の変化は、水溶性、血性、膿性へと変わっていき、さらに悪臭を伴ったり、量が増えたりします。
子宮留膿腫と下腹部痛
【子宮留膿腫】とは、子宮がんが大きくなって子宮内腔の出口を狭めるようになると、子宮腔内に血液、膿、分泌物、がんの崩壊物がたまってくる症状の事をいいます。また、この子宮留膿腫により、下腹部痛が起こってきます。子宮腔内いっぱいにまで溜まると、子宮の収縮によって内容物が排出されてきます。子宮留膿腫は、閉経後期間がたち、子宮が閉塞した老年婦人の体がんでは、しばしば認められる所見です。子宮体がんも、子宮頸がんと同様に進行症例では、周囲の臓器への浸潤や他臓器への転移が起こります。
子宮がん検診
日本で子宮がんというと、一般的には子宮頸がんの事を言います
子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんの2種類に分けられますが、子宮がん検診として日本で行われている検査のほとんどが「子宮頸がん」のみの検診です。そのため、子宮がん検診を受けた人は、子宮全体を検査してもらったと勘違いする方も多く、閉経後の女性で「子宮がん検診」を受けて異常はなかったが、不正性器出血が気になり、「子宮体がん」の検診をしてみたら、進行した子宮体がんだったという例もあります。更年期以降の女性が子宮頸がんに新たにかかる可能性はきわめて低く、それよりも子宮体がんの検診のほうが重要になります。それなのに、「子宮がん検診」という言葉のために、検診を受けていながら、進行した子宮体がんが見落とされるケースは少なくありません。
このように、子宮がん検診の内容を良く知らないまま受診している場合もある為、「子宮がん検診」というあいまいな表現はやめて、【子宮頸がん検診】に統一するほうがいいでしょう。受診者も、子宮がんには2種類あり、とくに更年期以降の女性の場合は、子宮頸がんよりも【子宮体がん検診】が必要だということを知る事が大切です。
また、卵巣がんはなかなか早期発見が難しい病気ですが、経膣超音波による検診を行えば、容易に発見することができます。いまだに自治体や会社などで実施する健康診断での「子宮がん検診」に、経膣超音波が含まれていないことが多いのは残念です。婦人科検診に経膣超音波は必須であり、これに性交経験者は子宮頸がん検診を、生理不順または50歳以降の全女性は子宮体がん検診を受ける、というのが検診の基本です。










