子宮頸がん,治療法は、症状や進行期によって変わってきます。ここでは、子宮頸がんの進行期別治療法を解説していきます




子宮頸がん治療

初期は手術が適用。円錐切除術なら妊娠も可能です

子宮頸がん図解

手術療法】と【放射線療法】が子宮頸がんでは主体になります。化学療法は補助療法として有効です。手術療法は主に早期がんが対象で、がんのタイプや妊娠の希望などにより、切除範囲が異なります。進行期に入ってしまうと、主に放射線療法が中心に行われます。

0期

現状では、0期の治療法は【円錐切除術】がもっとも多く採用されています。
将来、妊娠・出産を希望する場合は、【円錐切除術】が適用になります。血管やリンパ管が少ない上皮内にがんがとどまっているので、転移の心配はありません。円錐切除術は、おなかを切らずに膣のほうから子宮頸部を円錐状にくりぬく手術法です。子宮頸部の病変部とその周辺だけを切除し、子宮は残されます。

確実な手術ですが、出産、妊娠が出来なくなる【単純子宮全摘出手術】とは

子宮を全摘出する【単純子宮全摘出術】は妊娠・出産を希望しない場合に適用になります。完治を目指すという意味では、この方法がもっとも確実です。
妊娠した場合には、流早産への注意が必要です。

光線力学的治療(PDT)

光線力学的治療(PDT)は、がん細胞をねらい撃ちして消滅させるレーザー療法です。
まず、光感受性物質(光に対して敏感に反応する物質)を静脈注射します。光感受性物質は、がん細胞にとり込まれる性質があるので、病巣に特殊レーザーを照射すると、がん細胞のみが化学反応を起こして消滅するのです。
メリットとして、子宮が温存できて頸部の摘出の必要がなく出血も少ない事があげられますが、病理診断を正確に行うとができないうえ、治療後2~3週間は、暗室での入院生活が必要となる不便さがあります。

Ⅰ期

進行度によって治療法が違ってきます。
円錐切除術は、Ⅰa1期の症状、浸潤の深さが3mm以内で妊娠希望であれば、適用されます。

単純子宮全摘出術

単純子宮全摘出術】は、がんが頸管の奥に出来ていたり、子宮筋腫などで膣の奥が見えないなど【円錐切除術】ができない人、この先出産を望まない人は、子宮をすべて切除する【単純子宮全摘出術】を安全上の理由から、行う事もあります。
この段階では、周囲のリンパ節への転移の可能性はほとんどないので、【リンパ節郭清】まですることはありません。

準広汎子宮全摘出術

Ⅰa2期(浸潤の深さが3~5mm以内)では、すでに子宮からリンパ管を経由してがんが広がっている可能性を考え、【円錐切除術】による診断のあとに【準広汎子宮全摘出術】を行います。リンパ節転移も考慮し、【骨盤リンパ節郭清】も行う事が多くなります。

骨盤リンパ節郭清を含む広汎子宮全摘出術

Ib期では子宮をかなり広い範囲で摘出し、【骨盤リンパ節郭清】を含む【広汎子宮全摘出術】が行われます。同時に卵巣・卵管の切除【付属器切除術もしますが、若い人は残すこともあるでしょう。骨盤リンパ節転移が認められたり、ほかに危険因子があると判断されたりした場合は、骨盤への放射線療法や化学療法が適用されることもあります。
腫瘍が大きい場合(Ib2期)には、【同時化学放射線療法】も標準治療の選択肢のひとつです。日本では広汎子宮全摘出術+骨盤リンパ節部活+付属器切除術が行われることが多いのですが、欧米では同時化
学放射線療法が標準治療です。手術では子宮、卵管、卵巣、子宮を支えるすべての靭帯など、子宮周辺の組織をできるだけ広く切除。同時に、骨盤内のリンパ節もきれいにとり除きます。
再発リスクの高い患者さんには、放射線療法や化学療法を追加することもあるでしょう。【同時化学放射線療法】では、シスプラチンを含む抗がん剤を週に1回点滴する方法が一般的です。

Ⅲ期

放射線療法で完治を目指すことができます。放射線療法は子宮頸がんによく効くといわれ、Ⅲ期でも40~50%の患者さんが放射線治療単独で完治できます。がんが病巣から遠くへ転移している可能性を考慮して、化学療法の併用【同時化学放射線療法】が標準治療です。なぜなら、子宮がんが骨盤壁や障壁下部まで浸潤している状態で、ここまで進行してしまうと、手術での根治治療は不可能だからです。

Ⅳ期

Ⅳa期は原則として【同時化学放射線療法】が第一選択となります。Ⅳb期は、すでに遠隔転移している状態ですから、がん細胞は全身に回っています。手術は行われず、患者さんのQOL(生活の質)の向上を目的とし、痛みを少しでもやわらげたり、少しでも快適に過ごしたりするための放射線療法や化学療法が行われることになります。

スポンサードリンク

子宮頸がん進行期別、治療法

0期
妊娠・出産を希望する場合は円錐切除術
妊娠・出産を希望しない場合は、単純子宮全摘出術
光線力学的治療(PDT)の場合も
Ⅰ期
浸潤の深さが3mm以内であれば(Ia1期)、円錐切除術
円錐切除術ができない人や出産を望まない人などは、単純子宮全摘出術
浸潤の深さが3~5mm以内(Ia2期)では、準広汎子宮全摘出術+骨盤リンパ節郭清
Ib期では広汎子宮全摘出術(放射線療法がプラスされることも)
腰掛大きい(4cmを超える、Ib2期)では同時化学放射線療法も選択肢のひとつ
Ⅱ期
広汎子宮全摘出術
再発リスクが高い場合、+放射線療法・化学療法も
腫瘍が大きい(4cmを超える、Ⅱa2期)、Ⅱb期では同時化学放射線療法も選択肢のひとつ
Ⅲ期
放射線療法のみ・あるいは化学療法の併用(同時化学放射線療法)
Ⅳ期
全身状態によ。放射線療法・化学療法、緩和ケア
※I、Ⅱ期の付属器切除術は、年齢、進行度、組織型などによ。個別に考慮します。

ページの先頭へ